抗がん剤治療を控えた方の中には、抗がん剤治療の前に食べてはいけないものはあるのでしょうか。
抗がん剤治療中は、体にさまざまな変化が起こります。
本記事では抗がん剤治療によって体にどんな変化が起こるのか、がん剤治療中に食べてはいけないものはあるのか、その理由や食べた方が良いものも解説します。
抗がん剤治療を控えて悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
※本記事で掲載する内容は一般的な内容であり、あくまでも主治医の指示に従ってください。
抗がん剤治療によって起こる体の変化とは?食事に気をつけなければならない理由

抗がん剤治療によって食事に気をつけなければならない理由には、治療による体の変化が起こるためです。
抗がん剤治療が始まると、骨髄抑制と言って体の免疫力が低下しさまざまな感染症にかかりやすくなります。そのため普段は問題なく摂取できている食材でも、抵抗力が落ちている中では避けなければならないケースもあるでしょう。
他にも、さまざまな副作用が出現して体力が消耗する中で体は多くの栄養素を欲します。副作用に合わせて、食事内容を調整する必要もあるでしょう。例えば便秘の食事は、食物繊維が豊富なものを摂取したり、口内炎ができている時の食事はお粥やゼリーなど刺激が少ないものを摂取したりする必要があります。
このように抗がん剤によって起こる体の変化に対して、食事を工夫する必要があります。
抗がん剤治療について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

参照:抗がん剤を受けられる皆様へ|日本私立学校振興・共済事業団東京臨海病院
抗がん剤治療中に食べてはいけないものはある?

抗がん剤治療中に食べてはいけないものはあるのでしょうか。
抗がん剤治療中にはさまざまな副作用が出現します。必ず食べてはいけないものが決められているわけではないものの、その副作用によっては食べるのを控えた方が良い食材もあります。
一般的に抗がん剤治療中に食べてはいけないものとして、生肉や生魚が挙げられます。
これは抗がん剤副作用に『骨髄抑制』があるためです。骨髄抑制によって感染症にかかりやすくなるため、感染症の原因になる生ものは避けておこうという1つの見解です。
治療中に生肉や生魚を食べてはいけないという決まりはありませんが、心配な方は避けておきましょう。
次の章で食べた方が良いものと合わせて避けた方が良いものも解説していきます。
参照:抗がん剤治療中、食事に気をつけることはありますか?第2章 抗がん剤の副作用とその対応|熊本大学医学部附属病院
抗がん剤治療中に食べた方が良いものを副作用と合わせて紹介

抗がん剤治療中は、副作用の出現に合わせて食事を工夫する必要があります。
それぞれの副作用の例に合わせて、食べた方が良いものを解説していきます。
参照:抗がん剤を受けられる皆様へ|日本私立学校振興・共済事業団東京臨海病院
参照:抗がん剤治療中、食事に気をつけることはありますか?第2章 抗がん剤の副作用とその対応|熊本大学医学部附属病院
便秘や下痢などの消化器症状がある時に食べた方が良いもの
便秘や下痢などの消化器症状は、抗がん剤投与後翌日以降から出現するケースもあれば、3日〜10日後などに出現するケースもあります。
便秘の時は納豆やごぼう、ひじきなど食物繊維が豊富なものを摂取するように心がけ、下痢の時はお粥や茶碗蒸しなど刺激の少ないものを摂取するようにしましょう。
食事に気をつけるだけではなく、便秘や下痢の症状が見られる時は、特に水分摂取を心がけるようにしましょう。
吐き気や嘔吐が見られる場合に食べた方が良いもの
吐き気や嘔吐が見られる時は、食欲も低下している方が多いでしょう。しかし体力が消耗している状況では食べやすいものをなるべく摂取する必要があります。
魚やネギ、納豆などの匂いが強いものは吐き気を催す可能性があるためなるべく避け、シンプルな味付けのものを摂取すると良いです。
少しずつ食べられるものから食事回数を増やしていくのがおすすめです。
また、嘔吐が見られる場合も、脱水になる可能性があるため水分摂取をこまめに心がけましょう。
口内炎や口の中の乾燥が見られる時に食べた方が良いもの
抗がん剤治療の副作用では、口内炎が多発したり口の中が乾燥したりする症状が見られる場合があります。
どちらのケースも口の中が傷つきやすい状態であるため、刺激の少ないものを摂取する必要があるでしょう。
薄味の味付けにしたり、冷ましてから摂取したりと口の中を傷つけないような工夫をすると良いです。
抗がん剤治療の影響による口内炎については、下記の記事でも解説しています。

味覚や嗅覚に変化がある時に食べた方が良いもの
抗がん剤治療を開始してから味覚や嗅覚に変化が出る人もいます。味覚や嗅覚の変化は亜鉛などの栄養素の不足によって生じる場合もあるため、栄養が豊富な食事を心がける必要があります。
ココアやチーズ、ナッツなどの亜鉛を多く含む食事を摂取するようにしましょう。
また、味覚や嗅覚の変化によって、食欲が低下している方もいるかもしれません。
金属っぽさがある方は食器を変えてみたり、甘味が強いと感じる方は塩味を足してみたりすると食べやすくなるかもしれません。また匂いが気になる方はなるべく冷たい料理を摂取するなど、食べやすいように工夫すると良いでしょう。
骨髄抑制がみられる時に食べた方が良いもの
骨髄抑制がみられている時は、白血球や血小板、赤血球などが減少している状態です。体の状態に合わせて食事を工夫する必要があるでしょう。
例えば、白血球が減少しているときは、体の抵抗力が落ちて感染症にかかりやすくなっている状態です。そのため感染症の原因になりやすい生魚や生の貝、生卵など生の食品の摂取は避けるようにしましょう。
また、赤血球が減少している時は、めまいや全身のだるさなど貧血の症状がみられる場合があります。肉や卵、ほうれん草などを摂取してコーヒーや紅茶、緑茶などの鉄の吸収を阻害するタンニンが含まれている飲み物は控えましょう。
血小板という出血を止める成分が減少している方は、口の中が出血しないように心がける必要があります。硬いものや揚げ物などの摂取を控えたり、歯磨きの際は優しく磨くようにしたりしましょう。
抗がん剤治療中に食べてはいけないものは医師へ相談を!副作用が出現している時は体を労わって

本記事では抗がん剤治療中に食べてはいけないものや、食べた方が良いものについて解説しました。
抗がん剤治療中に食べてはいけないものや食べた方が良いものについては個々の体の状態によって異なります。そのためまずは通院先の医師や栄養士へ相談しましょう。
何より、副作用が出現している時は体を労わって過ごすようにしてください。
抗がん剤による副作用の対処方法については下記の記事でも紹介しています。

また、抗がん剤治療の副作用の1つである脱毛の対策として、医療アートメイクという選択肢もあります。
医療アートメイクアーティストは、看護師の資格を保有しており、がん治療における悩みや不安なども相談にのってもらえるでしょう。
気になる方は下記のLINEから、おまもりアートメイクの看護師へ一度ご相談ください。
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