抗がん剤の副作用の一つに抹消神経障害があります。
抹消神経障害は、抗がん剤の種類によって手から足まで幅広く症状が出る副作用です。
そんな末梢神経障害にはどのような症状があるのでしょうか。
今回は抹消神経障害の種類や、症状が悪化しないための対処方法などをご紹介します。

抗がん剤副作用の末消神経障害の特徴
抗がん剤の副作用として末梢神経障害があります。
抗がん剤を使用することで、神経細胞体や軸索にダメージを与え、末梢神経障害を発症する場合があります。
末梢神経障害がどのようなものか、見ていきましょう。
末消神経とは
末梢神経とは、脊髄の中やその周囲から出ている神経のことを言います。
末梢神経は、運動神経、感覚神経、自律神経の3種類に分類されており、身体の各部位からの情報を中枢神経に伝達し、体温や血圧、内臓機能の調節を行う役割を持つ大切な神経です。
末消神経障害の特徴
末梢神経障害は、薬の種類や投与する量によって異なる症状が出ます。
薬の蓄積によって生じたり、初期の頃に症状が出なくても、徐々に発症したりすることもあります。
そんな末梢神経障害は、症状の予防や有効な治療方法が確立されていません。
しかし、症状の緩和をすることは可能です。
末梢神経障害は、他人からは分かりにくい症状が多いため、しびれなど自覚症状がある場合は、すぐに担当の医師に相談しましょう。
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末消神経障害の主な症状とは

末梢神経障害の主な症状は、殺細胞性と分子標的型の抗がん剤によって異なります。
副作用の種類ごとに起こる症状をそれぞれ見ていきましょう。
殺細胞性の抗がん剤による副作用
殺細胞性の抗がん剤は、細胞分裂していく過程に対して作用する抗がん剤です。
使用する薬剤によって異なりますが、細胞分裂が盛んな細胞に対して、さまざまな障害が出ることが分かっています。
末梢神経障害の種類 | 症状 |
感覚障害 | ・手足のしびれ・痛み・感覚麻痺、異常・知覚低下、異常・口周囲のしびれ・聴覚異常 |
運動障害 | ・運動麻痺・歩行困難・筋力低下・腱反射減弱・脱力、倦怠感 |
自律神経障害 | ・便秘 |
分子標的型抗がん剤による副作用
分子標的型抗がん剤は、がん細胞に対して特殊な物質を当て、ピンポイントに攻撃する抗がん剤です。
また、症状が徐々に出現することがあります。
末梢神経障害の種類 | 症状 |
感覚障害 | ・手足のしびれ・痛み・感覚低下、麻痺 |
運動障害 | ・運動麻痺・筋力低下 |
自律神経障害 | ・起立性低血圧・便秘 |
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日常生活においての対処方法

抗がん剤による末梢神経障害は、完全に予防する方法や治療方法はありません。
しかし、少しでも上手く付き合っていくために、日常的にケアをすることが大切です。
ケアをすることによって、症状の悪化や転倒などの危険を回避することに繋がります。
末梢神経障害と向き合う上で大切なのは、早期に症状に対応するために自分自身の変化を担当医に相談することです。
「物が持ちにくくなった」「字が書きにくい」などの自覚症状が出た際には、すぐに相談するようにしましょう。
しびれがある場合には、冷感刺激は避け、優しくマッサージをしたり、身体を温めて血行促進を意識しましょう。
また、指の曲げ伸ばし運動や散歩など、無理のない範囲で運動をして、血液循環を良くしておくのがおすすめです。
気を付けなければならないのは、日常生活での怪我の危険です。
末梢神経障害では、しびれや感覚異常、筋力低下などの症状があります。
転倒のリスクが高まっているため、階段や段差、すべりやすい場所には気を付けておきましょう。
さらに、熱いものを触っていても感覚が鈍く、やけどをしてしまうことがあります。
他にも日常生活にはさまざまな危険が隠れているため、危機回避の工夫が必要です。
抗がん剤副作用の末梢神経障害と付き合っていくために
末梢神経障害の感覚障害などは、感覚の低下や知覚の異常など、患者さんにしか分からない症状があります。
それらの症状が出た場合は、たとえ少しの違和感であっても、我慢せず医師に相談することが大切です。
予防や改善の治療方法はまだありませんが、緩和することはできます。
末梢神経障害は症状の改善まで長い時間を必要とする場合が多く、日常生活のケアや周囲のサポートが必要になってきます。
我慢や無理をせずに、症状と向き合っていきましょう。
