円形脱毛症は、脱毛症の中でも有名な症状です。
頭皮に円形にできるとされる円形脱毛症は目立つため、悩む方も多いでしょう。
そんな円形脱毛症は、いったいどんなメカニズムで脱毛が起こるのでしょうか。
今回は円形脱毛症が起こる原因や、どうしたら改善するのかを解説していきます。

円形脱毛症とは
円形脱毛症は、髪の毛が円形型に抜けてしまう脱毛症のことをいいます。
毛髪を作る毛根の大元にある、毛包の中の部分が炎症し、破壊されることで起こります。
これは免疫疾患の一つであり、本来、自分の身体をウイルスや細菌などの外敵から守るために活躍する働きをもつリンパ球と呼ばれる細胞が、誤って毛包を攻撃してしまい起きる症状です。
脱毛斑と呼ばれる円形型の抜け毛は、1つだけの場合もありますが、複数できることもあります。
大きさも豆粒のような小さいサイズから、500円玉以上のものまでさまざまです。
さらに症状が重くなっていくと、脱毛斑がどんどんと大きくなっていったり、脱毛斑がたくさんできたりすることがあります。
重症といわれる症状には、主に次の4つのパターンが挙げられます。
- 脱毛斑が複数できる多発型
- 頭部すべての毛が脱毛してしまう全頭型
- おでこなどの生え際や後頭部、側頭部が帯状に脱毛していく蛇行型
- まゆげやまつげなどの体毛も脱毛する汎発型
さらに重症化していくと、身体のすべての毛髪が脱毛してしまうこともあります。
円形脱毛症が起こる原因とは

この病気が起こる原因には、ストレスをはじめとする身体への負担が発症のきっかけであると言われることが多いとされています。
円形脱毛症の原因は、以下のとおりです。
- 睡眠不足
- 胃腸炎
- 風邪
- ケガ
- 過労
- 出産
- 自己免疫疾患
本来、リンパ球は身体を守るために活躍していますが、ときに身体を外敵であると誤って認識してしまい、毛包を攻撃してしまうことがあります。
これは、自己免疫反応といわれているもので、この反応により脱毛につながるケースがあります。
なぜリンパ球が、正常な細胞を攻撃してしまう事態が起きてしまうのかは、現状では解明されていません。
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円形脱毛症を改善するには

円形脱毛症による脱毛は、小さな脱毛斑が1~2か所程度なら自然治癒する場合もあります。
しかし、軽度の症状であれ、脱毛した部分が治癒するには、早くても約1年程かかると言われています。
脱毛をできるだけ早く元の状態に戻すためには、専門医による治療を選択することが大切です。
また、小さくても脱毛斑の拡大する勢いが早い場合や、炎症が強く脱毛している部分が赤い場合は、炎症を止めるための治療が必要になる場合があります。
また、抜毛テストで毛根の破壊像がはっきりと分かった場合なども同様です。
他に、内科的な病気が脱毛症状のもとになっているかどうかを血液検査で見つけることも可能です。
稀に他の自己免疫疾患を持っている場合もあります。
頭皮の症状以外に全身症状がある場合は、医師にしっかり伝えた上で診断、治療してもらいましょう。
円形脱毛症の治療方法
円形脱毛症の治療方法は、以下の通りです。
外用薬 | 脱毛部位に塗布する |
内服薬 | 指定の飲み薬を摂取する |
光線治療 | 脱毛部位に光を当て、リンパ球の異常を抑制する |
局所注射 | 炎症や免疫機能を抑える成分を注入する |
局所免疫療法 | 脱毛部位に化学物質を塗り、軽度のかぶれを起こして治療する |
初期段階では、飲み薬の摂取や、脱毛している部位への塗り薬の塗布が主な治療となります。
また、光線治療といわれる脱毛した部位に光をあて、リンパ球の異常を抑制する方法もあります。
円形脱毛症が重症の場合には、局所免疫療法を行います。
これは、脱毛している部位に化学物質を塗り、人工的に軽いかぶれを起こすことで炎症の矛先を変え、発毛を促進する治療法です。
円形脱毛症を発症している人の中には、アトピー性皮膚炎を合併する方も多く見られ、その場合、抗アレルギー剤の内服が有効なこともあります。
人それぞれ病気の広がりや拡大の勢いは違うため、医師の的確な診断のもとで治療を受けることが大切です。
日常においては、疲れを溜めず、できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。
毛髪を作ると言われている鉄や、ミネラルを補う亜鉛などが含まれた、バランスのよい食事を摂ることも重要です。
また、脱毛の症状があると、脱毛の悪化を恐れてつい洗髪がおろそかになってしまう方もいるでしょう。
しかし、頭皮の状態を清潔で良好に保つことはとても大切なため、しっかりと洗髪しましょう。
円形脱毛症は、早期の医師への相談が改善への近道
円形脱毛症は、発症すると自然治癒することもありますが、治るまでには時間がかかります。
また、放置すると進行することもある病気のため、早めに医師に相談することが大切です。
さらに、ストレスが原因で悪化することがあるため、ストレスを溜めないようにすることも大切になってきます。
円形脱毛症は、性別や年齢に関わらず誰もが発症する可能性のある病気です。
ストレスだけで脱毛になるということは解明されていませんが、全身の状態と関連を持つと言われています。
なるべく一人で悩みや不安を抱えないよう心がけ、ストレスを感じたらゆっくり休むなどして自分をあまり追い詰めないようにすることが大切です。
早期回復をするためにも、もし脱毛斑を見つけたら、放っておかずになるべく早めに病院を受診しましょう。